放射線外部照射
放射線外部照射とは、リニアックと呼ばれる装置を用いて体外から標的に向けて放射線を照射する治療です。CT画像をもとに、標的となる病変の部位、大きさ、種類などによってそれぞれ最適な照射方法が決定されます。
通常一日一回、土日祝日を除いた平日の毎日続けて治療を行います。治療の回数は治療の対象となる疾患によって異なりますが、通常1か月~2か月程度の期間を要します。
標的となる腫瘍に十分な線量を照射しつつ、正常臓器への照射を抑える強度変調放射線治療(IMRT)や、高い精度で標的に高線量を集中して照射する定位放射線治療(SRT/SRS)も外部照射の一種です。
放射線外照射の適応
放射線外照射の適応となる疾患には以下のようなものがあります。
- 脳腫瘍
- 頭頸部腫瘍
- 肺癌
- 食道癌
- 乳癌乳房温存手術後
- 肝臓癌
- 前立腺癌
- 婦人科腫瘍(子宮頸癌など)
- 悪性リンパ腫
- 転移性腫瘍
上記以外の疾患でも治療の適応になるものがあります。
放射線治療外来受診から治療開始までの流れは以下をご参照ください。
強度変調放射線治療(IMRT)
強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)とは、コンピュータの助けを借りて腫瘍部分のみに放射線を集中して照射できる画期的な新照射技術です。これによって、従来法では不可能であった理想的な放射線治療が可能となり、腫瘍制御率の向上や合併症の軽減が期待されています。
定位放射線治療
放射線を病変の形状に正確に一致させて集中照射する方法で、周辺正常組織を温存して病変のみを治療する新しい精密放射線治療の方法です。定位放射線治療は、脳などの病変を対象として始められ、現在では肺癌などの体幹部の病変に対しても行われています。
外照射治療システム
2016年より放射線外照射システムが刷新されました。強度変調回転照射やリニアック上で透視画像やコーンビームCTで位置確認を行う画像誘導放射線治療に対応し、より高い精度での治療が可能となりました。