放射線診断科

研究

 画像診断学は、人体の更なる効率的な可視化と、より安全で高精度な画像下治療法の開発を目指しています。

これまでの医局の研究

 当医局では、1970年代から2000年代は主に画像病理対比の研究が行われました。1970年代~1980年代の熊倉賢二、杉野吉則、今井裕らによる胃の2重造影法の開発、1980年代~1990年代の谷本伸弘らによる肝臓のMRI造影剤(SPIOやEOB)を用いた肝腫瘍の診断、1990年代~2000年代の陣崎雅弘らによる超音波・CT・MRを用いた腎腫瘍の画像診断がその代表的なものです。
また、1990 年代には平松京一らによる画像下治療の日本への導入と普及において大きな役割を果たしました。
 2000年代は、CTやMRIのハードが急速に進歩したため、最先端の機器や検査法を用いて、低侵襲で効率の良い検査手順(診断アルゴリズム)を構築するような研究が行いました。栗林幸夫によるCTを中心とした虚血性心疾患の診断アルゴリズムの構築、陣崎雅弘による腎や尿路の画像診断の効率的診断手順の構築が行われました。

 過去に医局で行われてきた研究を、検査領域別に分けて示します。

医局の研究の現状

 医局の研究は、“基盤研究”と“先導研究”の2種類に分けて推進しています。

1. 基盤研究

既存の画像診断法の診断能の向上(画像病理対比など)、診断の効率化・低侵襲化(撮影の高速化・高画質化、被ばく低減など)、画像の定量化などを目指したもので、上記の従来から進めてきた研究の延長上にあるものも多いです。clinical standardになる成果の発信を目指し、その結果、国内外のガイドラインの執筆にも多く関っています。

近年当医局で関わってきたガイドライン一覧

2. 先導研究

新たに開発したり、開発された機器、核種、手法などを用いて画像診断の今後の展開を模索する挑戦的な試みで、主なものとして以下があります。

(1)機器開発

  立位CTの開発と臨床応用(重力下の人体の可視化)詳細はこちら

  乳腺超音波CTの開発(乳腺検査の非侵襲化)

(2)新領域の可視化

  リンパ系の可視化(光超音波、MR lymphangiography)

(3)核医学動物実験、新核種導入

  NaFの活用、Tau、アミロイド、PSMA

(4)新たなIVR

  血管奇形、リンパ系

(5)医療DX(IT/AIの実装)の推進

  放射線科のIT・AI化(AIホスピタルプロジェクト)、J-MIDプロジェクト

現在の臨床研究テーマ

 現在行っている研究の中で、患者さんにご理解・ご協力を頂きたい内容があるものをお示しいたします。

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