放射線治療科

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放射線治療科

教授 武田 篤也
ご挨拶
 放射線科学教室は、放射線診断科と放射線治療科の二つの診療科で構成されています。同じ放射線を扱う診療科であっても、診療分野の高度化・専門化が進んでおり、私たち放射線治療科は、放射線を使ってがん治療を担う「放射線腫瘍学」という学問分野の専門家です。慶應義塾大学病院の放射線治療科は、放射線医学の診療科を標榜する放射線科学教室として1920年に創設され、国内最古の歴史を誇ります。現在、大学病院含む16施設の関連病院で約40名の現役医師が一線で活躍しています。これらスタッフ一同が仲良く協働し、同時に切磋琢磨しながら日々研鑽を積んでいます
 診療においては、年間1000例を超える患者さんの治療を行っています。大学病院として、あらゆる放射線治療手段を揃えており、当科の豊富な経験と実績に基づき、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供できるよう努めています。外部放射線照射では、脳・体幹部に対する定位放射線治療や強度変調放射線治療の照射技術を積極的に活用し、患者さんへの負担軽減と治療効果の向上に努めています。密封小線源治療では、子宮頸部や子宮体部などに対する腔内照射や前立腺に対する組織内照射を幅広く実施しています。加えて、放射性同位元素(RI)を使用した骨転移に対する内用療法も行っています。今後は、標的 (腫瘍、病巣) に集積する分子標的剤とRIを組み込んだリガンドや抗体などを利用することにより、がんの診断・治療を行うセラノスティクスなど、最新の治療法も積極的に取り入れていく予定です。
 研究においては、様々な疾患に対する新しい治療法に関する臨床研究や放射線照射による細胞形態の変化、遺伝子・染色体変異などの基礎研究を実施しています。そして、これらの研究成果を臨床に迅速に繋げることを目指し、がん治療の患者さんに一日でも早く福音を届けることができるよう、注力して取り組んでいます。
 教育においては、学生、研修医、専攻医に対してマンツーマン指導を原則に、講義やカンファレンスを通じて、放射線医学はもとより放射線⽣物学、医学物理学、画像診断、病理組織学、解剖学全体に精通し卓越した専門性を育てることを目標としています。
 私は、2024年4月に放射線治療科の教授職を拝命し、これから放射線腫瘍学を若い医師に伝えてゆく使命を全うする所存です。大学には、放射線治療の教育・診療・研究を担う役割がありますが、これらは全て密接に繋がっています。すなわち、高品質の治療を速やかに効率的に行い、治療成績向上に努めること、それを科学的に研究し世界に公表することにあります。そして、がん診療における司令塔の一つとして、他科や他職種とともに最適な治療を患者さんと一緒に考え共通理解を得る場面に、学生や若い医師にも加わってもらうことで、この魅力ある分野に興味を持ってくれる仲間が増えてくることと信じています。放射線腫瘍医は、国内では依然として全く不足しており、多くの病院で需要があります。放射線治療は、がん治療の領域で間違いなく拡大してゆく分野であり、更に多くの人材の受け入れを必要としています。また、乳がんや子宮がんなど女性特有のがん患者さんが増えている近年、女性ならではの視点による医療も患者さんから必要とされているため、女性医師の活躍も大きく期待されています。現在、医局には3人の女性医師が在籍し、大学病院・関連病院で診療に励み活躍しています。我々は、放射線腫瘍医として活躍したいという意欲のある人材を積極的に募集しているので、興味ある方は是非とも御連絡ください。
  • 診療

    当科で行っている各種放射線治療のモダリティーを御説明します.

  • 研究

    当科で現在行っている臨床研究,基礎研究の内容と研究成果をご紹介します.

  • スタッフ

    放射線治療科のスタッフをご紹介します.

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