研究

核医学

放射線医学教室の核医学研究の歴史は長く,特に放射線治療科の前久保敦司教授が基礎から臨床まで幅広い研究を展開し大きな成果をあげてきました.特に近年では,外科学教室との共同研究によるセンチネルリンパ節の診断を積極的に進め,悪性腫瘍の治療精度の向上に大きく貢献してきました.2009年には核医学部門が放射線治療科から放射線診断科に移行して他の画像診断部門との連携がさらに深まり,2012年にはPETが稼働し,その研究領域はますます広範なものとなっています.

ここではその中から,2つの研究テーマを御紹介します.

連続寝台移動型PET/CTカメラの基礎と臨床応用に関する研究

国内で初めて当院に導入された連続寝台移動型PET/CTカメラの基礎的な性能評価と臨床的な有用性を検討しています.本装置では各臓器・疾患ごとに最適な収集条件を設定することが可能ですが,先行研究がほとんどありません.また本装置は全身ダイナミック収集が可能となるため,臓器や疾患ごとに経時的な解析を行う事ができます.現在はFDGで行っていますが,今後はアミノ酸製剤や低酸素親和性薬剤においてもダイナミック収集による解析を行う計画です.

SPECT/CTの3次元融合画像の臨床的有用性

SPECT/CTの融合画像の臨床的有用性については数多くの報告がありますが,当施設のように3次元表示を行っているところは世界にも例を見ません.診断に必要な生検部位やBPA(balloon pulmonary angioplasty)などの治療部位の決定,下顎骨腫瘍あるいは骨髄炎の範囲決定など,3次元融合画像の可能性は多岐にわたり,各分野で3次元融合画像作成して,臨床に供しています.臨床SPECTで扱われているトレーサは腫瘍イメージング剤以外にも20以上存在し,それらをCT画像と融合して3次元化することで,さまざまな機能画像の理解を容易にするとともに,臨床医が画像を容易に理解し,治療に応用できることをめざして研究中です.

page top